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裁判例から学ぶ 「画像素材を使ってトラブらないために」

学ぶ

フリー素材だからといって完全にフリーではない

Webサイトやブログで使うフリー素材。便利ですが安易に使うと思わぬトラブルに巻き込まれる危険があります。

画像を使うとき、自分で撮影したものを使うのでなければフリー素材を配布か販売してるサイトからDLしてくると思うのですが、フリー素材だからといって完全に「フリー」というわけではありません。
クレジットの表記は必要か、商用利用はOKか、加工はOKか、などの注意が利用規約にあるので必ず確認するようにしましょう。

  • クレジット表記の必要;あり、なし
  • 商用利用可能か:可、不可
  • 加工:可、不可
  • 写真素材の被写体の許諾:特定の商品など
  • 人物のモデルリリースは取得済みか:後ろ姿や大衆など  その他・・・・

配布サイトの利用規約を確認しましょう

コンテンツに係る著作権、肖像権、パブリシティ権(その他財産権の表示を含む) の正確性及び完全性を保証することはできません。(PIXTA利用規約より抜粋)

このように、配布サイトの利用規約にはロイヤリティフリーについての不確実性が明記されていることがほとんどです。

加工がOKと言っても全ての加工がOKなわけではなく、写真素材の被写体全てから許諾を得て撮影しているわけでもありません。

万が一、訴訟になった場合に注意義務を怠らなかった実績は作っておく必要がありそうです。以下、裁判例からどのような点に注意しなければならないのか具体的に見ていきましょう。

レンタルフォトの画像無断使用事件  東京地裁平27.4.15

弁護士法人である被告が、被告のウェブサイトに原告であるカメラマンの写真を無断で掲載して訴えられた。被告はサイトの作成者(被告従業員)は当該写真をフリー素材と誤信して使用したのであるから作成者の注意義務を問題ですべきであると主張したが認められず、裁判所は被告に15万円の損害賠償金の支払いを命じた。 

ある弁護士法人のWebサイトで作成者の従業員がどこからか拾ってきた写真を掲載して権利者に訴えられた裁判です。

その従業員はWeb制作会社にいたことのある人ですで、裁判では、サイトの作成者ががどの程度Web制作に精通していたかが問われました。

また、「権利者から削除要請があってから削除すれば足りる」という被告の主張は退けられた点もその後の基準になったと思います。

ねぶた著作権侵害事件 青森地裁平25.2.22

東京の衣類販売店代表である被告が、青森ねぶた祭りの写真を有料素材サイトで購入し、ねぶたに記された出資企業名を自社名や自社のホームページアドレスに書き換えるなどしてファッション誌に広告として掲載し、ねぶた師とねぶた運行団体に訴えられた。裁判所は「ねぶたは著作物にあたる」として原告の請求通り700万円の損害賠償支払いを命じた。

ねぶた著作権侵害事件は、ダウンロードサイトから有料のねぶた写真をDLし、ねぶたに書かれたスポンサー企業名を自社のものに替えて掲載し訴えられたというものです。

その写真は加工OKだったのですが、加工OKでもそういう加工の仕方はダメです、という基準を示した裁判です。

風景写真ブログ掲載事件 東京地裁平23.12.21

 旅行ブログを書いていた被告がYahoo検索から壁紙サイトに辿り着き、無料配布されていた画像をDLしブログにアップしたところ、実はその画像の権利は当該サイトとは別の写真家が有しており著作権侵害で訴えられた。裁判所は被告に15万円の損害賠償金支払いを命じた。

あるブロガーが壁紙サイトからDLした無料の壁紙の写真をブログに掲載して訴えられた事件です。

この裁判は、写真を無料配布していたサイトの管理者は実はその写真の権利者ではなかった、という典型的なものだと思います。

なので、無料配布サイトと謳っていたも怪しいところは避けるべき、ということです。

安全な画像・イラスト素材をDLできるサイト

では、どのようなサイトから画像をダウンロードすればよいのでしょうか。

以下、超有名なサイトの例を挙げておきました。もちろん他にもたくさんあります。

•PIXTRA   https://pixta.jp
•写真AC  https://www.photo-ac.com
•ばくたそ   https://www.pakutaso.com/
•いらすとや  https://www.irasutoya.com

まとめ

以上、フリー素材だからといって完全にフリーではないというお話しでした。

Webサイトなどを作っていて、イメージ通りの画像が見つかると出処が多少怪しくてもつい使いたくなりますよね。でも、その後のリスクを考えるとやめておいたほうがよさそうです。

素材は安全確実なサイトから、有料素材はケチらずに、クレジットの表記など利用規約を確実に守り、社会通念上許される範囲での使用を心がけるようにしましょう。

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