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絶対音感と相対音感 絶対音感は本当に必要か?

雑談

TVなどでよく「絶対音感の持ち主」という表現を耳にします。
私は仕事柄、よく絶対音感を持っている人と接し、私自身も限定的ではありますが絶対音感を持っています。

今回はその絶対音感についての話しです。

絶対音感とは

世の中には絶対音感のある人とない人がいます。
絶対音感とは基準音を与えられなくても音の階名が分かる能力です。例えば、ピアノで「ソ」の音が鳴ったとします。絶対音感のある人はその音が「ソ」であることが瞬時に分かりますが、絶対音感のない人には分かりません。

しかし、絶対音感のない人でも基準音、例えば「ド」の音を聴いてから「ソ」の音が鳴れば、基準音から辿ってそれが「ソ」だと訓練によって分かるようになります。これを相対音感と呼びます。
絶対音感のことを「固定ド」、相対音感を「移動ド」ともいいます。

ズバンボン
ズバンボン

音楽家はよく「私は固定ドです」、「私は移動ドです」という言い方をします。

 

絶対音感はトレーニングで身につくか

遅くても9歳くらいまでに適切なトレーニングをすれば絶対音感が身につくというのが定説です。
大人になってからは残念ながらどんなにトレーニングを積んでも絶対音感は身につかないと言われています。
一説によると、幼児期は誰でも絶対音感を持っており、加齢によりそれが失われていくと言われます。そのタイムリミットが遅くても9歳くらいということのようです。

ご自分の子供に絶対音感を持たせたかったら、就学前にはソルフェージュができる音楽教室に通わせるのがよいですね。

ズバンボン
ズバンボン

絶対音感は「親が子供にしてあげられるプレゼント」と言えなくもないですね。

絶対音感にも種類が・・

一口に絶対音感と言っても色々な種類というか段階があります。
絶対音感の持ち主がすべて街中の騒音まで克明に階名で言い当てられるわけではありません。(もっとも騒音や雑音に音階はないと言う人も多いですが)

例えば、オーケストラがチューニングするときの「ラ」の音だけ分かるという人もいますし、楽器の音だと分かるけど人の声だと分からないという人もいます。
しかし、それらも立派な絶対音感と言えるでしょう。
ちなみに、私はピアノなど楽器を弾き始めてしばらくすると階名が分かるようになります。弾くのを止めてしばらくするとまた分からなくなってしまいます。

そうしたものをまとめてみました。

  • 「ラ」の音だけは分かる。
  • 楽器を弾き始めると分かる。
  • 単音や簡単な和音なら分かる。
  • ゆっくりした旋律なら分かる。
  • 複雑な和音や早い旋律でも分かる。
  • 440hzを基準とした音程じゃないと違和感を感じる。
ズバンボン
ズバンボン

上の表は下に行くほど”絶対音感が強い”と言えると思います。

絶対音感は必要か?

演奏家など音楽家になるために絶対音感は必要か?と言えば、必ずしも必要ではないという人が多いです。私もそう思います。
歌を歌ったり楽器を弾いたりする時に絶対音感がかえって邪魔になるという局面も多いようです。特にアンサンブルをする上では音程は絶対的なものではないですし、中途半端な絶対音感なら無いほうが良いという人もいます。

音楽大学のソルフェージュの試験では前述の基準音が与えられた上で聴き取りの出題がありますから、絶対音感が無いことが致命的なハンディにはなりません。
しかし、しっかりとした絶対音感があればもちろん大きなアドヴァンテージであることは間違いないでしょうね。

特に指揮者や作曲家などは、楽譜を見て頭に音楽を思い浮かべる視唱の能力が重要でしょうから絶対音感はあるに越したことはないでしょう。
しかし、NHK交響楽団正指揮者だった岩城宏之氏は著書の中で絶対音感が無いことを認めていますし、亡くなっていますが世界的指揮者のバーンスタイン氏も絶対音感の有意性について懐疑的です。そうした大音楽家は多いです。
また、シューマン、ワーグナー、チャイコフスキー、ブラームスなど歴史的大作曲家にも絶対音感がなかったことが定説となっている人は珍しくありません。

ズバンボン
ズバンボン

音楽的才能と絶対音感の有無は関係なさそうです。

いかがでしたでしょうか。
まとめると「絶対音感は必ずしも必要ではないがあると便利」というところでしょうか。少なくとも超能力のようなものではないと言えると思います。

絶対音感と似た概念に、音と色が結びついてしまう「共感覚」「ラベリング」というものがありますが、それはまた別稿で・・。

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